2011年4月11日月曜日

放射線は偽装できませんから

 福島県では原乳のブレンドが試みられているそうだ。
放射線濃度の高い原乳と、低い原乳をブレンドして、基準値をクリアさせるという方法だ。
 もう、悲しくなる。
 やっている人たちが一番わかっていると思うのだが、こんな方法はその場しのぎにもならない。ブレンドをして基準値をクリアしても、この牛乳は誰も買わない。食品偽装にもあたらない。偽装未満だ。
 たとえば、普通のコシヒカリに魚沼産コシヒカリというラベルを貼って高く売るのは、立派な産地偽装である。この種の偽装は、ちゃんと舌の肥えた人にしか見破れない、素人は簡単にだまされてしまう偽装だ。
 放射線牛乳は、違う。これは素人にもバレバレである。食品メーカーや消費者団体や管理栄養士さんはもちろん、ずぶの素人の私でも、測定機さえあればわかってしまう。もしかしたら家庭用浄水器みたいなお手頃値段で放射線測定機が普及してしまうことになるかもしれない。そうなるだけの充分な動機と実績を日本の消費者はもっている。
 もう悲しいことはやめさせてほしい。政府は被害を受けた事業者に充分な補償をしろ。