2019年10月1日火曜日

10月25日、東京のラバンデリアに行きます

 拙著『夢みる名古屋』、地道に販促活動を続けていますが、当初の予想に反して評判が良いです。
 名古屋駅西サンサロ*サロンで行ったトークイベント『夢みる名古屋、笑えない大阪』も、原口剛さんの人気もあって満員御礼。内容もなかなかよく、三重大学の北川さんが加わってイカした展開になりました。ひさしぶりに上機嫌です。

 新聞やネットニュースなどでもたくさんの紹介と書評を頂いています。
 琉球新報、沖縄タイムズ、信濃毎日新聞(以上は共同通信の配信記事)、日経新聞、日刊ゲンダイ、BOOKウォッチ、リテラ、図書新聞、週刊金曜日、等々。書いていただいたみなさん、ありがとうございました。また、丸川哲史さんから書評の申し出をいただいたので、今後、週刊読書人あたりに掲載されるかもです。


 さて、今月は、再び東京でイベントをやります。
 出演者は3名。
 『路上のマテリアリズム』から『ぐにゃり東京』まで、東京のダイナミズムを描き続けてきた、平井玄氏。
 大阪に移り住んでいらい、ひたすら飲み歩き思索を重ねてきた『通天閣』の著者、酒井隆史氏。
 そして、『夢みる名古屋』の矢部史郎。
 東京、大阪、名古屋から、都市論の猛者が集結です。

 私の記憶が正しければ、この3名が同席するのは17年ぶり。2002年の早稲田大学地下部室強制排除の日以来です。
東京の大学再開発がついに早稲田大学に及び、1号館・3号館・8号館の地下部室で学生が強制排除された日です。平井さんは教員として、酒井さんはOBとして、私は学外者として、それぞれの立場で強制排除に反対し、抵抗する学生たちと共に早稲田キャンパスにいました。
あれから17年、いろいろありました。つもる話はたくさんあって、人前でオープンにできる話だけでも、けっこうある。一晩では足りないかもしれません。


   『 ディストピア三都物語 』 

 日時 10月25日(金)19:00~
 場所 カフェ・ラバンデリア
 入場 500円+1drink
 出演 平井玄・酒井隆史・矢部史郎
 主催・問い合せ 模索舎

2019年9月5日木曜日

9月28日名古屋でイベ

今月末28日に、神戸大学の原口剛さんを招いて、トークイベントです。
 テーマは、大阪のジェントリフィケーションについて。
 大阪維新の会が進める「大阪都構想」、IR特区、大阪万博にむけた整備など、大阪の現在の状況を、ざっくりと報告していただきます。
 楽しみです。

9月28日(土)15時~
入場無料 (1ドリンクオーダー)
名古屋駅西 サンサロ*サロン


2019年8月4日日曜日

官民協働の暴力




 あいちトリエンナーレの展示物「表現の不自由展・その後」が、異常なやりかたで展示中止措置に至った件について。
 芸術表現にたいする今回の政治弾圧は、非常に見えやすい形でその構図を示している。弾圧の主体となるのは大まかに言って三者。

1、河村名古屋市長と菅官房長官は、行政権力の側から弾圧を号令した。これは制度的には許されない不法行為であるが、メディアを通して民間人を扇動することに成功した。

2、河村・菅に扇動された民間右翼は、暴力的な脅迫行為を組織的に行い、愛知県を屈服させることに成功した。

3、愛知県警は右翼の不法行為を事実上追認し、弾圧を完成させた。

 行政権力(の一部)が不法な暴力を扇動し、民間右翼が暴力の実働部隊を担う。この構図には、既視感がある。関東大震災直後の、陸軍と民間自警団による虐殺事件である。あの忌まわしい事件から一世紀がたとうとしている現在、再び同じ構図が繰り返されたのだ。

 愛知県、大村県知事、あいちトリエンナーレ主催者は、「表現の不自由展・その後」を再開するべきだ。右翼の暴力に屈してはいけない。ここで暴力に屈してしまえば、右翼はますます増長し、破局的な事態を招来することになるだろう。
忌まわしい昭和ファシズムが、関東大震災直後の虐殺事件を起点に始まったことを、忘れてはならない。



2019年7月17日水曜日

テレビ番組をみてあーだこーだ言うのはちょっとあれだけど


 木村草太という憲法学者がテレビで喋っていた。彼はこれまで改憲問題に反対の立場から発言を続けてきた学者である。自民党がたくらむ緊急事態条項新設の危険性を訴えてきた学者だ。
この番組のなかで、テレビ局の記者がちょっとした質問をする。
記者「このような緊急事態条項のようなものは、現行法では他に存在するのか?」
木村「ない。災害救助法に類似したものはあるが、それ以外にはない。」
 このやりとりは、本題である9条改憲そのものには関わらない、補足的な情報の紹介として、これ以上議論されることなく終わった。

 うーん。

 まず事実として、この木村発言は間違いである。「ない」どころではない。おおありだ。私たちがいま渦中にある、原子力災害特別措置法、原子力緊急事態宣言である。
 2011年から今日まで8年間、日本は原子力緊急事態宣言下にある。この緊急事態宣言は、原子力災害特別措置法に基づいて内閣が発令し、以後、内閣が解除するまで効力をもつ。原子力緊急事態宣言下では、原子力災害対応のすべてを内閣の政令によって決定・実施することができる。住民の避難措置・防護措置は、国会の議論や採決を経ることなく、内閣総理大臣の一存で決めることができるのである。

 この8年間ずっと論争の的になってきたものを列挙しよう。汚染食品の流通問題、汚染ガレキの処分方法、汚染土壌の再利用問題、避難者と「自主避難者」(補償対象外)との線引き、公衆の年間被曝線量を20mSVに書き換えたこと、除染事業の是非、福島汚染地域への住民帰還強要政策。これら諸政策の考え方と基準値の設定は、内閣の政令によって行われている。1キロあたり100ベクレルの食品を流通させることや、年間20mSVの高線量地域に住民を帰還させることは、内閣の政令で決定されてきた。福島復興政策・帰還政策は、立法府の手の届かない場所で、行政府の専権事項となっているのである。
 2016年3月の衆議院では、「原子力緊急事態宣言はいつ解除されるのか」という質問が出ている。これにたいして内閣府は、「解除する見通しはたっていない」と答弁している。おそらくずっと解除されないだろう。なぜなら、福島帰還政策が依拠している年間20mSV基準は、原子力基本法にもどこにもない、緊急事態宣言下で出された政令にすぎないものであって、もしも宣言を解除すればとたんに違法となってしまうものだからである。政府・福島県が、県内に住民をとどめおこうとするかぎり、緊急事態宣言は永遠に解除されない。そして日本列島の全住民が、1キロあたり100ベクレルの汚染食品を食べさせられることになる。

 わたしはここで、年間20mSVや1キロあたり100ベクレルという基準が安全か危険かという議論はしない。議論するまでもない。ただここで確認しておきたいのは、そのような異常な被曝状況を許す法律は存在しないということだ。現在の異常なまでに緩和された基準と方法は、原子力緊急事態宣言下で行政府が恣意的に決定・強行したものを、我々が一方的に受け入れさせられているのである。

 自民党の改憲策動は、民主主義制度を破壊するものだという主張は、正しい。この憲法学者の見解に異論をはさむ余地はない。だがそう主張するときに、いま進行している福島復興政策の専制的なありようを忘れてしまうのなら、画竜点睛を欠くというものだ。主張に芯が通らないちぐはぐなものになってしまう。
 行政権力の暴走は、将来起きるかもしれないことではなくて、すでに8年前から始まっている。
いま私たちは、緊急事態宣言下の専制の渦中にある。
このことを忘れてはいけない。
 

追記
 以上にしめした問題は、一人の憲法学者の見落とし、認識不足ということではない。これは現在の日本の左翼全般が抱える問題である。この8年間、日本の左翼は福島復興政策に呑まれてしまって、そこに明白にあらわれた専制権力と対決することができなかった。その認識のたち遅れが、今回の木村発言に反映されているのだとおもう。




2019年7月9日火曜日

トークイベントのご案内

最新刊『夢みる名古屋』、すでに新聞書評やネットニュース記事も出始めていて、書店での売れ行きもまずまずのスタートです。
で、刊行記念ということで、東京・大阪・名古屋の三都市でトークイベントをやります。


名古屋

 『夢みる名古屋 ユートピア空間の形成史』の著者 矢部史郎さんに聞く、都市でみる夢、さめた夢

7月20日(土) 15時~ (17時から懇親会)
ナゴヤ駅西 サンサロ*サロン
予約不要 入場無料(1ドリンクオーダー)
     https://nagonya.exblog.jp/28427763/



東京

 『夢みる名古屋』刊行記念トーク&サイン会
  矢部史郎×栗原康 「プラン(計画)じゃねえよアナーキーだよ」

7月23日(火) 19時~
紀伊国屋書店 新宿本店 9階イベントスペース
要予約 500円
https://www.kinokuniya.co.jp/contents/CMTCommonPC.jsp?file=%2Fc%2Fstore%2FShinjuku-Main-Store%2F20190703100025.html&SF_FLG=


大阪 (未定)

大阪のイベントはまだ詳細が決まっていないので、後日あらためてご案内します。
たぶん推薦をかいていただいた酒井隆史さんとトークすることになると思います。都市文化研究会の原口さんたちとも会いたいです。


『夢みる名古屋』は、いろんな論点が複雑に絡み合っていて、何を話すことになるのか自分でも想像がつきません。楽しくなると思います。

2019年5月25日土曜日

新刊の装丁ができました




装丁デザインは、宮崎希沙さん。
ガーリーですね。
ちょっとびっくりです。

6月15日、現代書館から発売です。



2019年5月21日火曜日

酒井さんへ




 酒井さん、ご無沙汰しています。
昨年の秋にお会いして以来、執筆作業に追われて名古屋にこもっていました。原稿はいまようやく校正作業が終わり、印刷所にわたりました。新刊の帯に推薦文を寄せていただき、ありがとうございます。6月初旬には書店に並ぶ予定です。

 さて、時間はかかってしまいましたが、昨年の秋の話の続きです。思想誌、または、ポータルサイトの構築について。
 これは口に出してはっきりと言うことはないけれども、お互いに頭をよぎるのは、2006年に取り組んだ『VOL』誌の経験だと思います。また、2011年以降に解体状態に向かった「赤黒」「ノンセクト」ブロックの問題も、頭から離れることはありません。
 『VOL』系の研究者も、「赤黒」の活動家集団も、いまではすっかり過去の話になりつつあります。おそらく酒井さんは、この解体状況を残念に思っているのではないかと思います。
 私はというと、『VOL』誌の解消についても「赤黒」部隊の解体についても、おおむね肯定的に捉えています。2000年代の社会運動と言論活動のなかで、私たちは若いながらも一定の役割を担いました。よくがんばったし、楽しかった、と思っています。
ただ私にも、思い残しているというか、頭の切り換えができないでいる部分があります。我々が2011年以後の政治状況に圧倒されてしまったのは仕方がないとしても、もうすこしなんとかできなかったか、と思うところはある。

 そこで提案なんですが、過去15年ぐらいの活動を振り返って、二人で反省会をやりませんか。二人で、公開を前提に、往復書簡をやりたいです。
 私は今月で新刊の仕事が終わったので、これからちょくちょく大阪に飲みにいくことになると思います。ただし飲み会とは別に、しっかりと論点を整理する作業をしておきたい。個別的・断片的な話から、運動の総体にいたるまで、なにがどこまで問題であるのか、共通認識をかためておきたい。酒井さんと私がその認識を提示することは、今後の思想誌の作成のためにも必要な作業だと思います。
 どうでしょう。
 やりましょう。