昨日、富山市の「生・労働・運動ネット」のセミナーに参加して話してきた。
現在の状況を説明し確認するうちに、自分がやろうとしていることが少し整理できた。
要約すれば、今次の原子力災害による首都圏の被災は、日本列島全体を揺るがす事態になるだろうということだ。
いま放射性物質の拡散をうけて、東京という都市の位置づけは揺らいでいる。東京は被災した東北地方を救援する拠点なのか、それとも東京自身が被災地なのか、その評価をめぐって葛藤がくりひろげられている。政府は「首都圏は安全」という発表を繰り返し、企業は労働者を拘束して事業を継続する。他方、妊婦や乳幼児を連れた母親たちは、西日本に向かって大移動を始めた。若年労働者からは、ゼネラルストライキの声があがりはじめた。いま首都圏では、ひとつの家族が退避するかしないか、会社に留まるか否かをめぐって、引き裂かれている。これを福島第一の核燃料に喩えれば、これまで「絶対に安全」だと信じられていた企業社会/核家族の被服管が、じわじわと破れはじめているのだ。政府がいくら統制を試みても、この動きは止まらない。首都圏3800万人のうち、その1%が動いたとして38万人、5%で190万人だ。資本主義の被服管を溶かし漏出していく女と子供、若年労働者(そして外国人)は、別の街に堆積し、新たな運動の連鎖反応を始めるだろう。
もうひとつのメルトダウン、企業社会から分離・漏出する「人口」のメルトダウンが始まる。この新しい人口の波に洗われた地方都市は、かつてあった「日本」であり続けることはできない。首都圏を離れた巨大な人口と知性、潜勢力が、日本列島全体を焼き焦がしていく。
楽しみだ。やる気が出てきた。