2011年3月19日土曜日

原子力災害で滅びるべきもの

 テレビが自衛隊のヘリによる放水を映し、われわれは固唾を呑んで見る。まったく無駄であるだろう試みを、それが決死的であるというだけで、英雄視している。
NHKのニュースが放射線量の上昇を伝え、「ただちに健康に影響を及ぼす心配はない」と説く。
原子力都市のスペクタクルは、いま新たな「英霊」と新たな「ヒバクシャ」を生み出しつつある。

 嘘と秘密の翼賛体制は、「不安を煽るな」「パニックをおこすな」「冷静になれ」と言う。
 このとき、誰が抑圧されているか。
テレビが垂れ流す戯言に翻弄され深く傷ついているのは、若年女性、妊婦、母親、再生産を担う者たちである。「ただちに健康に影響を及ぼす心配はない」という解説委員おまえは、結婚や出産や育児というありふれた行為がどれほどの切実さを伴っているのか、わからないだろう。子供が熱を出しただけでうろたえるような人間を、馬鹿だと思っているんだろう。しかし、そういう馬鹿な人間がいなかったら一人の人間も産み育てられないというあたりまえの事実を忘れているお前らこそ馬鹿以上の大馬鹿だ。
 許さない。この原子力災害を機会に、お前らを撃ち滅ぼしてやる。