2014年7月22日火曜日

近況報告と告知




712
 前瀬くんが印刷会社の編集の仕事を決めた。二人で祝い酒をしようということで、新栄で飲み歩く。酔っ払った前瀬くんが、ドゥルーズ/ガタリの有名な一節を引用して、言う。「女になること、動物になること、名古屋人になること」。なるほどね。「放射脳」になること、そしてさらに、名古屋人になること。この街はマイナーなものへと生成する容器だ。度胸と忍耐力が試される。


718
 RLLの河辺くんが、名古屋に来て2泊していった。彼は年内の東京脱出をめざして、西日本のいくつかの街をまわってきたらしい。そして旅の最後に、名古屋の街を下見していった。
 2016年になるまえに、すでに東京の文化シーンは解体している。足の速い者はすでに東京を去った。新宿も、高円寺も、過去の街になったのだ。


720
 毎月開催されている「三河アナキストの会」の飲み会に参加。今回は日進市の放射線防護派2名が飛び入り参加して、総勢8名の飲み会になった。はじめは4名でほそぼそと始めた会だったが、徐々に移住者が増えてにぎやかになってきた。今年はさらに人が増えていくだろう。


722
 来月、東京で、労働組合のパネルディスカッションに出る。
以下、告知文が送られてきたので転載。

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/////// トークセッション3  ////////////////////////////////////////

「放射能は人を選んで降り注ぐ」-都市貧困層はいかに自身となかまを原子力災害から守るのか

日時 8月2日 18時から
場所 フリーター労組会議室
資料代 500円(組合員無料)
【内容】2011312日以降、原子力災害からの避難をよびかけ名古屋で活動する矢部史郎さんを迎え、原子力災害の現状と災害から自身となかまたちを守るための活動についてトークします。


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 トークセッション3  ////////////////////////////////////////以下呼びかけ文
被害をいうことが強い非難の対象にされています。被害を疑うこと自体、「風評被害」を招くことであり黙るべきだというのです。
これでは高線量地域から逃げる権利も、放射性物質を吸入せず、放射線を浴びずに暮らす権利も、まったく保障されない。そしてこの被害を深刻に受けるのは、安定した所得がなく、食を自律的に選択することも難しく、医療からもはじかれた、私たちフリーター層を含む貧困者です。
放射能災害は何も終わっていません。福島原発での度重なる汚染水漏れ、高線量下での作業を強いられる収束作業員への被ばくのみを言っているのではありません。現在でも、法律的には1mSv/年が公衆被ばくの上限です。ところがそれを超える地域に人々は住み続けています。労働安全衛生法が「管理区域」に指定し、必要あるもの以外を立ち入らせず、18歳未満を就労させないことを事業者の義務とする線量の地域ですら、人は生活し就労しています。
被災地が日本の経済開発の周縁部と位置付けられた東北であったこと、収入を考えれば、安全性を第一に食物や水を選択できず、ファストフードやコンビニで飯を食わなければならないこと、これらのことが何を意味するのかを私たちは真剣に考えなければなりません。
放射能は人を選んで降り注ぎます。

2011
年3月以前も、そしてそれ以降も、放射能は貧困者の上にこそ強く降り注いできたことを私たちは忘れるわけにはいきません。原子力災害は貧困者に向けられているのです。
なのに被害の「科学的根拠がない」ことを理由に、低線量被ばくまたは内部被ばくの被害の訴えは切り捨てられ、「復興」イメージの維持のために、災害は意図的な忘却の中に置かれています。ホットスポットでの埃の吸入、放射性物質が含まれる食べ物や飲み物の摂取、これらが東日本に暮らす私たちの現実であることには変わりないのにです。
被害を語る人々にはこれまでも「放射脳」「似非科学」なる悪罵が投げつけられてきました。避難の権利を求める人々にも政府機関をはじめとして冷笑的な態度が投げつけられてきました。おそらくこれからも、その状況は大きく変わることなどないでしょう。その一方で冷徹に進められているのは、いまだ実証データに乏しい「低線量被ばく」「内部被ばく」のデータ収集です。
あたかも未曽有の人体実験の被験者として、私たちは位置づけられています。私たちは私たち自身を、この災害と人体実験からどのように守るのかを考えなければなりません。誰も守ってくれることなどない。だれも私たちを守りなどしないのですから。
原子力災害の中へ遺棄される貧困者は、どのように自分となかまを守ればよいのか。考えてみたいと思っています。

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 この会を主催するフリーター全般労働組合は、2002年に結成され、当時の労働運動に一石を投じた組合。フリーター全般労働組合は、共産党系の首都圏青年ユニオンとともに、新自由主義政策下の非正規労働問題を告発していった。いわば、青年労働者運動のオピニオンリーダー的存在と言えるだろう。

 この3年間、東京の左翼は階級的視点を失ってきた。福島第一原発の事件は、社会運動を愛国主義的に、または、社会民主主義的にしてしまい、汚染問題の階級的性格を充分に論じてこなかった。労働組合は、組合員の健康調査を独自に行うことなく、厚労省の「安全」見解を追認してきたのである。
 しかしこれから、フリーター全般労働組合が沈黙をやぶる。放射能汚染問題から、資本と労働との敵対性をあぶり出す。この問題提起は、労働運動の思想が試されるものになるだろう。