2012年3月8日木曜日

シーベルトについて

放射性物質による汚染を測るとき、いまは二つの単位が使われている。
 ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)だ。人体への影響を測るシーベルト(Sv)を別の単位として数えれば、正確には三つの単位があることになる。
 いま食品や土壌の測定はベクレル(Bq/kg)という単位で表現し、空間線量や被曝線量はシーベルト(Sv/h)という単位で表現している。

 しかし考えれば考えるほど、シーベルトというのは使えない単位だ。これは何かというとつまるところ熱量である。ジュールとかカロリーみたいなものだ。α線、β線、γ線、X線という種々の放射線を、全部ジュール換算にして表現するみたいな、非常に大雑把な話だ。放射線の研究というのがもともと兵器開発を中心にしているものだから、人間や鉄材をどれだけ焼くことができるかってことなんだろうが、まあ使えない。
 たとえば薬学の研究者が毒物の強さを表現するときに、熱量で表現したらおかしいだろう。このトリカブトの毒は0.001カロリーまでは健康に被害はない、とか。おいおいカロリーかよ、と。そこはグラムだろ、と。もうマンガだ。

 放射線による健康被害というのは、こういうマンガのような次元で議論されている。
 冗談ではない。
 怒りが抑えられない。