今日は土壌3検体と食品1検体を測定した。
測定依頼は順調にのびていて、一週間ほど先まで埋まっているが、測定ボランティアの人たちは士気が高い。やるきまんまんだ。
作業しながら、食品と土壌の検査についてどう考えるかの考え方を考えてみた。
とりあえず以下の式。
土壌のセシウム濃度 × ( 作物ごとの移行係数 - 栽培方法による低減 ) = 食品中のセシウム濃度
という式が成り立つ。大気中の放射性ガスや塵がないものとして考えれば、だいたいこういうことになるだろう。
で、これまでの知見で数値として解っている(またはこれから解明される)のは、「作物ごとの移行係数」と「栽培方法による低減」だ。いま測定しているのは、式の両端にある「土壌のセシウム濃度」と「食品中のセシウム濃度」がどうなのかということなのだが、これらはそれぞれ測定の動機が微妙に違う。
土壌のセシウム濃度を調べるとき関心の対象になっているのは、農作業における内部被曝、土木建築等屋外作業の内部被曝、近隣住民とこどもの内部被曝だ。
食品中のセシウム濃度を調べるときの関心は、消費者の内部被曝、農家の経営、流通業者の経営である。
市民放射能測定センターが「市民」というとき、それは政府機関ではないという程度のおおまかな意味だから、いろいろな動機が同居していて、どれもアリだ。センターの主力となっている名古屋生活クラブは食品検査に関心が高く、ボランティアスタッフをやっている私はがぜん土壌派だ。
というなかでいま、測定計画のれじゅめを用意しなくちゃならないのだが、こりゃ議論の設定が大変な予感。