いま出ている『図書新聞』(2011-8-13号)で、鼎談をやらせてもらっている。
「生活空間の〈荒廃〉をめぐって」という記事。
話しているのは、最近『空間のために』を出した篠原雅武氏(都市論・政治理論)、近刊『通天閣』を準備している酒井隆史氏(社会思想・社会学)、昨年『原子力都市』を出した矢部史郎(海賊研究)。酒井氏・篠原氏は、マイクデイヴィス『スラムの惑星』の日本語訳をしたメンバーでもある。
なんだ三人とも『VOL』派の身内じゃないかと思われるかもしれないが、そうではない。『VOL』の同人はそれぞれに研究とか活動とか忙しいので、まともに顔を合わせることはめったにない。実はこうしたかたちでちゃんと話をするのは初めて。場を設定してくれた前瀬くんと須藤くん、ありがとう。
で、内容だが、自分で言うのもなんだがけっこうおもしろい。空間の〈荒廃〉にいたる歴史的過程を俯瞰するようになっていて、酒井氏が45~60年代、矢部が70~80年代、篠原氏が90年代以降の状況を語って、話がちゃんと絡んでいる。テープ起こしした人がうまいのか、ちゃんとそういうことになっている。なんの打ち合わせもなくいきなり私が京都にのりこんでぶっつけ本番で収録したのだが、意外に話がまとまっているので驚いた。
このブログではあまり自己宣伝しないようにしているのだが、今週の『図書新聞』は一読の価値あり。おもしろいよ。