2016年10月9日日曜日

新自由主義の黄昏



 9月23日、IМF(国際通貨基金)はギリシャの国際債務について、「追加の負担軽減策が不可欠」との声明を出した。ドイツなど欧州の金融機関に、負担軽減を求めているということだ。
 IМFが銀行に対して債務の軽減措置を求めるなど、10年前なら考えられないことだ。

 2008年のリーマンショック以降、G8体制は崩れ、中国を含めたG20が世界の経済政策の基調を作っている。G8からロシアを外したG7は、G20に対する主導的立場を失っている。2000年代までは、G8/IMF体制によって、緊縮政策と管理貿易の廃棄(彼らの言う「自由貿易主義」)が世界を席巻していたが、そうした新自由主義政策のでたらめな要求は世界諸国で受け入れられなくなっている。
 そうして現在、アメリカの共和党大統領候補トランプは「モンロー主義」への回帰を掲げ、対する民主党候補クリントンは、新自由主義政策を公然と主張することができなくなっている。新自由主義の神話が崩れたのだ。新自由主義政策がすべての人々を豊かにする、という神話が。


 おもしろい。 
 原子力と、新自由主義と、二つの神話が崩壊していく時代に、私たちは立ち会っている。

 未来はきっと良くなる。