娘が修了式を終えて、成績通知表をもってきた。
すべての科目で「4」と「5」が並ぶ。テストの成績も良い。
これは当然の成り行きと言えるかもしれない。
彼女は小学3年生の終わりに、生まれた土地から引き離された。放射能汚染からの退避というわけのわからない理由で引越しをさせられ、それは世間的には異常にみえる行動であって、彼女の生活はつねに論争の渦中にあった。
無邪気な幼年期は、突然おわってしまった。
その日から彼女は、大人たちの言葉をそのまま信じるのでなく、言葉の繰り出される背景を慎重に吟味しなくてはならなくなった。学校やテレビに対して、批評的な態度でのぞまなくてはならなかった。彼女はまだ小学生だったのに、大人にならなければならなかったのだ。
その日から彼女は、大人たちの言葉をそのまま信じるのでなく、言葉の繰り出される背景を慎重に吟味しなくてはならなくなった。学校やテレビに対して、批評的な態度でのぞまなくてはならなかった。彼女はまだ小学生だったのに、大人にならなければならなかったのだ。
しかたがない。
そういう事件が起きてしまったのだから。
ともあれ、勉強ができることは悪いことではない。むしろ良い。