じっくりと絵を描いているはずだった山の手緑が、とつぜん労働争議に突入。
彼女は現在、名古屋市内の事務所で有期契約で働いているのだが、今回の契約更新をもって最後の更新とする旨通告された。はじめの契約の時点では「1、2年ではこまる、3年間は働いて欲しい」と言われていたのだが、新しく交代した管理職はその約束を反故にしてしまったわけだ。契約を更新しない理由は書類には記載されていない。ただ口頭で「仕事を任せられない」と言われたのみである。
ここで彼女が怒っているのは、言うに事欠いて「仕事を任せられない」とはなにごとか、「仕事を任せられない」のはどっちなんだ、ということである。
彼女は学校を出たばかりの新人ではない。事務職の経験を重ねてきたベテランで、しかも、いくつもの職種の事業所を渡り歩いてきた人間だから、仕事をわかっている人間とそうでない人間を見分けることはできる。彼女の仕事ぶりを一方的に評価して、ただですまされるわけがない。評価する者が本当に他人を評価する資格と実力をもっているのかどうか、これから団体交渉を通じて事実確認をする。誰もやりたくない複雑な仕事を派遣や契約社員に押し付けて、うまくいかなかった責任を他人に転嫁して自分たちの和を保とうとする、正社員たちの反労働者的態度を暴露していく。
これから山の手緑の逆襲が始まる。
楽しみだ。