2017年8月17日木曜日

8月集会のれじゅめ


いよいよ明後日、名古屋共産研の集会です。
8・19集会「放射能安全神話を解体するために」

集会に先立って、報告者の蔵田計成氏(ゴフマン研究会)から、論文を一ついただきました。この論文、分量がそこそこあるので、関係者の皆さんには事前に送付しました。

で、私の報告の方のれじゅめは、ほぼメモみたいなものなので、ここで公開しておきます。

以下、れじゅめです。


------------


れじゅめ 『放射線防護のシャドウワーク』

2017/08/19 矢部史郎

1 放射線防護とは何をすることなのか
 1-1 汚染調査
 1-2 汚染地域の立ち入り制限
 1-3 汚染物質の回収、拡散防止
 1-4 被曝者にたいする医療措置

 日本政府は必要な防護措置のほとんどを放棄した。東電事件がもたらした被害は、政府の手に余るものであった。


2 政府が放棄したものを誰が引き受けたのか
 2-1 市民測定活動
 2-2 自主避難・旅行制限
 2-3 東日本産商品の不買
 2-4 各家庭での健康管理

 公衆の放射線防護対策を担ったのは、市民による無償の活動である。その主要な担い手は、子育て世代の主婦であった。


3 クリアランスのイデオロギー
 3-1 予防原則の廃棄
 3-2 「適正」と「過剰」
 3-3 防護派を悪魔化する = ネグレクトと寄生の正当化
 3-4 被曝受忍という政策判断に、科学の装いを与えること
 3-5 科学の名で政策論争を封じ、政策論によって科学的批判を封じること

 クリアランスをめぐる論争は、純然な自然科学の論争にはなりえない。この論争は、行政の専制と民主主義勢力との政策論争になる。


4 「復興」政策のほころび
 4-1 帰還政策の破たん
 4-2 健康被害の顕在化
 4-3 「風評被害」のイニシアティブ
 4-3 議会政党の後景化、人民民主主義へ

 生命を収奪する「復興」政策は、破たんする。そのことで、生命を護持してきた「風評被害」勢力が、論争のイニシアティブをとることになる。議会政党は求心力を低下させる。