この半年ほど、月2回のペースで海賊研究会をやってきた。最初は4人でゆるーく始めた研究会だったが、ようやく軌道にのってきたというか、エンジンがかかってきた。
ここで中間報告的にこれまでの流れを振り返ってみると、
第1回 廣飯研究報告(後期カール・シュミットの射程)
第2回 カール・シュミット『陸と海と』を読む
第3回 ユベール・デシャン『海賊』を読む(1)
第4回 ユベール・デシャン『海賊』を読む(2)
第5回 矢部研究報告(本源的蓄積過程と近代海賊)
第6回 ゲスト白石嘉治氏の講義(人類学者ピエール・クラストルの発見)
第7回 江ノ島で海水浴
第8回 Stephen Snelders『The Devil's Anarchy』を読む
第9回 ジョン・エスケメリング『カリブの海賊』を読む
第10回 Peter Lamborn Wilson『Pirate Utopias』を読む(1)
こうして振り返ってみると、16世紀から18世紀の近代海賊を主要にやってきたのだが、おそらく海賊という概念が形成されたのが近代なのだから、当然そういうことになるだろう。
次回は少しだけ近代を離れて、
第11回 別枝達夫『海賊の系譜』を読む。
次々回はノンフィクションライターの小野登志郎氏をゲストに招き、中国福建省の「黒社会」について講義を聴く。小野氏は、新宿歌舞伎町の「中国マフィア」に取材を重ね、昨年『龍宮城』(太田出版)を出版したノンフィクションライター。現代海賊を考えるための刺激的な議論ができると思う。
今後は、近代海賊の研究をベースにしつつ、南シナ海やインド洋の現代海賊にもふみこんでいきたい。あと、ネグリ/ハートの『帝国』も海賊的な角度でやらなきゃだね。
ちなみに海賊研究会は、アナーキストの集まりではありません。「海賊共産主義」なんて言ってるのは矢部だけで、あとは普通の学生と研究者の集まりです。勉強したい人は気軽にきてください。
次回は10月23日15時から、新宿のカフェ・ラバンデリアに集合。