木下黄太氏のブログ(11/24)で、興味深いテーマが論じられている。
「いったい、どのくらいの土壌汚染から凌げなくなると考えるのか」
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927
これは悩みどころだ。愛知県東部や長野県はフォールアウトによる土壌汚染が確認できるのだが、しかしこのレベルなら除染でなんとかなりそうな気もするし、実際どうなのか。ここでは木下氏は100Bq/kgを境にして考えているが、この線が妥当なのかどうかは、私にはまだわからない。
土壌の核種分析をやっていて最近ようやくわかってきたのは、セシウム134がひとつの目安になるだろうということだ。
いま私たちが計測しているセシウムは2種類あって、セシウム137と、セシウム134がある。セシウム137は半減期が30年、セシウム134は半減期が2年である。
で、半減期30年のセシウム137は、東電事件以前の大気圏核実験由来のものが土壌に残っていたりする。先日おくられてきた岐阜県の土壌からは、セシウム137が約8Bq/kg検出され、セシウム134がまったく確認できなかった。愛知県や岐阜県にはこういうパターンがあって、このセシウムは東電事件以前のブツだなあと判断している。
東電事件の影響を考えるとき、土壌にセシウム134があるかないかは判断の指標になる。あと4~5年はこの方法で公害の証拠を記録することができるだろう。
ということは逆に言えば、私たちはあと4~5年の間に土壌を調べ尽くさなくてはならない。セシウム134がなくなってしまう前に、土壌検査を終えておかなければならない。
のこされた時間は意外に少ない。