2021年6月14日月曜日

行政による災害

 

はじめに、原発損害賠償「黙っちゃおれん訴訟」からオンライン集会の告知です

6月20日14時~ 

https://www.youtube.com/watch?v=M8pAzZyZ1cQ

 



 新型コロナウイルスの感染爆発から、1年半が経った。

この間、自分が関わる裁判や集会や学習会で、感染は確認されていない。まだ油断はできないが、あと一年か、一年半、持久戦だ。

思い起こせば、昨年の4月、安倍内閣は国会の場で、希望者のすべてがPCR検査を受けられるようにすると発言し、厚労省に指示を出してもいる。だが、PCR検査体制はいまだに不充分で、私も含め多くの人々は自費で検査している状態だ。

問題の核心は、巷間言われているように、厚労省の医系技官なのだろう。これは政治の失策というよりも、行政官によるネグレクト、行政官が引き起こした災害だ。

 

10年前の原子力公害事件からずっと思っているのだが、なぜ私たちは、政策決定にかかわった行政官を名指しして訴追することに躊躇するのだろうか。原子力公害をめぐる裁判でも、ずっと歯がゆい思いをしてきた。

原子力行政のインチキは、ひとり電力会社だけで行っていたものではない。政治家の関与はあるが、それだけでもない。科学者もインチキをやっていたのだが、それを委員会に招聘してインチキ書類をまとめたのは役人である。

具体的な名前をもつ○○課の課長たちがいる。この課長たちは、国から給与と地位の保証を受けているにも関わらず、電力会社と癒着し、彼らに便宜を図るためのインチキ審査をやっていたのだ。その結果、原発を爆発させ、東北・関東地域に甚大な汚染被害を起こしたのである。

これは、通常の行政の範囲で見落としがあったというレベルの問題ではない。原子力発電の危険性は、70年代からずっと指摘されていたわけで、それらの科学的に正当な議論を強引に排除して、インチキ書類を作成していた課長がいる。明らかに私的な意図をもって行政の公正さを歪めていた課長、局長、事務次官がいるのだ。彼らは「国」という概念に丸めてよい人間ではない。具体的な名前を持つ犯罪的な人間であって、裁判の場で個人として訴追されるべきである。

今回の新型コロナ問題でも、厚労省医系技官の犯罪性は明らかである。損害を被った地方自治体や政府は、厚労省の医系技官にたいして訴訟提起しても良いと思う。本当は、政権が統制権を発動して、インチキ技官を排除するべきなのだが、もちろん自民党はやらないだろう。自民党がやらないからといって、私たち市民にその権利がないわけではない。地方公共団体が、経産省や厚労省を訴追する権利はある。