2017年5月31日水曜日

新しい冊子をつくりました。山口素明×矢部史郎の対談



 今年のはじめ、名古屋共産研の集会報告集を発行しましたが、わりと評判が良かったので、また新しい冊子を作りました。

 タイトルは、『討議 2011年以後、どうなのか』。
 内容は、フリーター全般労働組合の山口素明氏と矢部史郎の対談です。2011年の原発事故からじつに6年ぶりの討議です。東京と名古屋にわかれた二人が、改めてこの6年をふりかえってみようということで、大阪で対談。原発事故後の言論状況、復興ボランティア、「放射脳」、「福島差別」などをめぐって、強い内容の議論をしました。
 また、参考資料として、矢部+山の手の論文『シジフォスたちの陶酔』(2014年、初出『インパクション』誌)を、全文再録しました。
 36頁、300円。
 取り扱い書店は、ウニタ書店(名古屋)と、模索舎(東京)です。


 今回の冊子は名古屋共産研ではなく、矢部史郎+山の手緑で編集・発行しました。発行者は“遠心力出版”となります。この冊子にかんする苦情・異論等は、名古屋共産研ではなく遠心力出版へどうぞ。



2017年5月22日月曜日

「復興」破たん後の社会を構想すること



大阪の『人民新聞』紙に、原稿を書きました。今週の号に掲載予定です。
 依頼されたテーマは、復興庁大臣の失言・辞任問題。
 ここで普通に大臣発言を弾劾してもよかったのですが、自分としては物足りなさがあったので、すこし前のめりに問題提起をしてみました。詳しくは『人民新聞』紙を買って読んでみてください。
 以下は、その論旨の要約。と、すこし加筆してみます。


 福島「復興」政策は遠からず破たんする。
ところで真の問題は、私たちは「復興」破たん後の社会を構想できるだろうか、ということである。
 福島の「復興」がうまくいかないことは、誰の目にもあきらかである。そのことにいまさら驚いたふりをするのもしらじらしい。いま私たちが提示しなければならないのは、「復興」破たん後の社会をどうするか、というビジョンである。

 政府と金融資本は、公害隠しの「復興」政策に没入する以外に道はない。彼らは嘘に嘘を重ねながら死体を積み上げていくことになる。私たちはそんな無謀な政策に付き合う義理はない。プランAの「復興」が暗礁に乗り上げるのなら、それにかわるプランBを用意しなければならない。
 ところで、私たちはプランBを構想することができるだろうか。「復興」政策の拒否を貫いた先に、どのような社会を形成するのか。官民をあげた国民動員社会に背を向けて、どのように関係をとりなおしていくか。そこでは、どのような人間が、どのような方法で、どのような社会を、再建していくのか。
 「復興」破たん後、と書いたが、それは、政府や銀行が破たんを認める日を待つという意味ではない。彼らが破たんを認めるのは最後の最後であって、私たちは政府がどうこうする以前に、予示的に、「復興」破たん後の社会を形成していけばよい。政府のペースに合わせる必要はない。時間を先取りし、圧縮することだ。

 と、ここまで偉そうに書いたが、私に「復興」破たん後の明確なビジョンがあるかと言うと、まだ手探りの状態である。まだ考え始めたばかりだ。またこの構想は、私ひとりの脳髄でつくりあげるものでもない。私の娘や、娘の世代の人々と、討議していくべきものだ。

 とはいえ、それほど長い時間はかからない。焦らずとも数年で形がみえてくると思う。
 いまはただ、「復興破たん後の社会」という言葉を口にしただけで、さまざまな着想が湧いてくる、やる気が出るということで、よしとしよう。






2017年5月20日土曜日

近況報告

2017年に入ってから、なんだか忙しい。
予想していた以上の忙しさ。

いま抱えている作業は三つあって、
1、名古屋共産研の夏の集会にむけた研究報告。
2、矢部史郎×山口素明の対談、「会議ができなくなっちゃった」。
3、矢部史郎×山の手緑の対談。タイトル未定。

2と3は、名古屋共産研の作業ではないが、『16年テーゼ』で提起された社会民主主義批判をフォローするものだ。

2の山口×矢部対談は、2011年以後の言論情況の困難さを討議することから始まり、さらに2011年以前に遡って、アイデンティティ・ポリティクスの流行を批判的に検討した内容。これは6月上旬に小冊子で発行する予定。

3の矢部×山の手対談は、関西で始まった移住者運動の趨勢を分析しつつ、論点を整理する。〈代理/表象〉、〈漏出線〉、〈分子革命〉といったガタリの概念を使いながら、“移住者”といわゆる“社会運動”とのズレを議論する。論点は具体的だが、徐々に抽象度をあげていくので、読みごたえがある。これも6月下旬には発行できるようにしたい。




2017年5月1日月曜日

風向きに注意

 福島第一原発の付近で、放射能に汚染された山林が燃えている。
 放射性セシウム、放射性ストロンチウム、ウラン、プルトニウム等の放射性核種が、上空に舞いあがる。
 風向きと降雨に注意。



帰還困難区域の山林で火事 消火活動続く 福島 浪江町 

東京電力福島第一原子力発電所の事故による帰還困難区域となっている福島県浪江町の山林から煙が上がっていると、29日の夕方、消防に通報があり、丸1日がたった今も燃え続けています。けが人や建物の被害はありませんが、福島県は自衛隊に災害派遣を要請し、1日、改めてヘリコプターでの消火活動を行うことにしています。29日午後4時半ごろ、福島県浪江町井出の山林から、「煙が上がっている」と消防に通報があり、30日朝早くから福島県や宮城県などのヘリコプターが出て消火にあたりました。
火は、30日午前7時半すぎに、いったんほぼ消し止められたものの、強風で再び勢いを増しさらに燃え広がったため、福島県は30日正午、自衛隊に災害派遣を要請し、ともにヘリコプターを出して消火活動に消火活動にあたりました。
警察によりますと、出火から丸1日がたった30日午後5時現在、少なくとも10ヘクタールの山林が焼けたということです。けが人や建物の被害はないということです。
30日の消火活動は日没とともに打ち切られ、福島県などは1日午前5時すぎから再びヘリコプターで消火活動を進める予定です。
現場は東京電力福島第一原発の事故の影響で放射線量が比較的高い帰還困難区域で、警察によりますと、出火した時間帯には浪江町のほかの場所で雷によると見られる火事が起きていたことなどから、警察は落雷が原因と見て詳しい状況を調べています。 4301856分 NHK